YAHOO JAPANより、岸田総理の方が風通しがいいの?
October 19, 2022数年前に比べると、ずいぶん風通しはよくなったのは確かだ。報道の自由ランキングなどが、北朝鮮に近づくまで落ちていたのが、今ならきっと改善されただろう。
とはいえ、メディアが権力の監視機構という時代はとっくに終わった、と思われているのも確かだ。宗教2世問題や、統一教会問題などをきちんと報道する番組には敬意を表したい。が、まともに報道するメディアや番組が久しくなかったからここまで賞賛されたりするのだろう。

ときに、YAHOO JAPANが、ヤフコメを電話番号とリンクさせる、というのでそれはいい、と試しに参加してみた。
すると、なんと2つめのコメントで「最近の投稿に違反コメントが含まれると判定されました」と警告が来た。
コメントは、厚労大臣の出産クーポンの記事に関して、
「現金給付にしない理由も書いてほしい」
と、質問を書いただけなのだが、これがいけなかった? 国の方針に質問しただけで、即違反コメントとされるのは怖いな、
と思っていたらすぐ翌日、
「現金給付も受けつける」と、岸田総理から、風通しのよい答弁が。(ちなみに、岸田さんのこういう柔軟なところは、自分は支持している)
しかし、これは、一体、どういうことか??
クーポンでなければ困る団体、または総理とは考えの違う勢力が、恣意的に規則を濫用している??
(まあ、好意的に見れば、何者かが違反と報告するのを事務的に処理してしまった。まだ、試験期間中によるミスや手違いと、とることもできます。
子供の信教の自由などに比べれば、クーポンは切実な問題ではないでしょう。だって、もらえるのですから。とはいえ、この改定は、一連の宗教問題への布石や下準備とも見て取れますし、報告の数で削除するのなら、狂信的な集団には絶対に敵わないですから。。)
すでに、今回の7.8騒動でも、明らかすぎるくらいに認識されたが、資本主義の弱点は金で多くのことが縛られてしまうこと。スポンサーや株主が金で言論を操作できてしまうこと。そして、悪意のある集団には、民主主義は隙だらけなこと。
だから、あまりに露骨で恣意的な情報操作は、そっぽを向かれるようになった。昔は、メディアの方も、株主やスポンサーにも相応のプライドがあった気がするが(YAHOO JAPANは自分たちで取材はしないから、一般的なメディアでとはちと違うか)今は、そんな理想論では到底済まされない切実な事態が、身近に迫っているという方が正しいのだ。きっと。
なんでも金でカタをつけるという風潮は、21世紀に入ってからますます露骨になってきたが、それを強いる側は、日に日に有無を言わさぬ臭いをプンプンと放つ。メディアが権力を監視するのではなく、情報を受け取る側が常にメディアを監視し続けなくてはならないなんて、実に緊張感のある時代に入った。
(内藤まろ)